交通事故

交通事故の当事者となってしまった場合

あなたは適切に対応できますか?

クルマ社会といわれる現代では、残念ながら交通事故の当事者となってしまうことがないとはいえません。また、クルマだけではなく、自転車、水上バイク、スキー・スノーボード等、様々なアウトドアの場面でも、交通事故は起こりえます。

自家用自動車の交通事故では、加害者側の保険会社が登場するケースがほとんどです。運悪く交通事故の当事者となってしまった方に、プロとの満足のいく交渉は期待できないはずです。
また、自動車以外の事故の場合には、直接相手方の当事者との交渉となってしまうことも・・・
このような場合に、当事者同士の交渉では、何が適切な解決策かを探っていくことも容易ではありません。
当事務所では、このような交通事故の当事者となってしまった方に、相手方との交渉の代理業務を行っております。交通事故の当事者となってしまってお困りの方は、是非一度ご相談ください!

交通事故の3つの責任

人身事故か物損事故かで違いはありますが、交通事故の加害者には3つの責任が科せられます。

交通事故の3つの責任

交通事故の解決には次のような3つの方法があります。

1)示談(話し合い)による解決
2)紛争処理センター(財団法人交通事故紛争処理センター)による解決
3)裁判による解決の3つがあります。

交通事故の解決には3つの方法があります。

損害賠償額の査定基準

交通事故の損害賠償金を計算する場合、その損害額の計算の出し方として3つの査定基準があります。

査定基準と賠償額の比較

示談がどの基準で適用されるかによって、被害者の受け取れる損害賠償額が全く違ってきます。 被害者としては、当然ながら裁判所基準で損害賠償額を算定して請求していくことになります。逆に相手方としてはできるだけ支出を抑えたいわけですから自賠責保険基準に近い金額で示談を要求してきます。

次のような疑問があれば是非ご相談を!

保険会社の提示した金額は妥当なの?

どこまで損害を請求できるの?

首が痛くてどうしようもない。後遺症は認められるの?

一方的な事故だと思うのに、過失割合を主張されている。どの辺りが妥当な解決なんだろう?

なお、当事務所では一部の保険会社の代理業務も行っております。相手方の保険会社によってはご依頼をお受けすることが出来ませんので、ご了承ください。

CASE1.通勤災害と労災保険について

交通事故委員会労災保険検討部会資料

H20.8.25
弁護士平井信二

業務災害について

業務災害とは、労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡をいう(労災保険法7条1項1号)。

通勤災害について

  • 1. 通勤災害とは、労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡をいう(労災保険法7条1項2号)。(以下、昭和48.11.22基発第644号、平成3.2.1基発第75号、平成18.3.31基発第0331042号参照。)
    「通勤による」とは、通勤に通常伴う危険が具体化したものであることをいう(通勤起因性)。交通事故は、通勤に通常伴う危険が具体化したものといえる。
    「通勤」とは、労働者が①就業に関し、②住居と③就業の場所との間(事業場間移動や特定の要件を満たす住居間移動を含む。要件は規則第7条。)を、④合理的な経路及び方法により往復することをいい、⑤業務の性質を有するものを除くものとされている(同条2項)が、⑥移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合には、逸脱又は中断の間及びその後の移動は 「通勤」とはならない(同条3項本文)。
    ただし、逸脱又は中断が日常生活上必要な行為であって、労働省令で定めるやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、逸脱(・・)又(・)は(・)中断(・・)の(・)間(・)を(・)除き(・・)、「通勤」となる(同条項但書)。
  • 2. 「就業に関し」とは、移動行為が業務と密接な関連をもって行われることを要するという意味である。
    • × 休日に会社の運動施設を利用しに行く場合
    • × 事業者の命によって拘束されないような同僚との懇親会や送別会へ参加する場合
    • × 午後遅番の出勤者であるにもかかわらず、運動部の練習に参加する目的で、朝から住居を出る等、所定の就業開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合
    • ○ 所定の就業開始時刻をめどに住居を出て就業の場所に向かう場合は、寝過ごしによる遅刻、ラッシュを避けるための早出等、時刻的に若干の前後があってもよい。
    • ○ 業務の終了後、事業場施設内でスポーツ、サークル活動等をした後に帰途につくような場合には、社会通念上業務と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性が認められる。
      cf. 業務終了後、会社内に滞留した時間が2時間5分の事例において、一般的には、その後の帰宅行為には就業関連性が失われたものとされている(昭和49.11.15基収第1881号)。
    • ○ 業務終了後、会社内の自分の机で、労働組合の会計の仕事を約1時間25分行った後、帰宅した場合(昭和49.3.4基収第 317号)
    • ○ 業務終了後、会社の食堂で、慰安会に約1時間参加した後、帰宅した場合(昭和49.8.28基収第2533号)
    • ○ 労働組合の集会に参加する目的で、通常の出勤時刻より約1時間30分早く住居を出た場合(昭和52.9.1基収第793号)
    • × 業務終了後、会社内でサークル活動を行い、業務終了してから2時間50分後に退社し、帰宅した場合(昭和49.9.26基収 第2023号)
    • ○ 単身赴任における帰省先住居から赴任先住居への移動の場合、業務当日または前日は構わない。前々日の場合、交通機関の状況等の合理的理由が必要とされる。
    • ○ 単身赴任における赴任先住居から帰省先住居への移動の場合、業務当日またはその翌日は構わない。翌々日以降の場合、交通機関の状況等の合理的理由が必要とされる。
  • 3. 「住居」とは、労働者が居住して日常生活の用に供している家屋等の場所で、本人の就業のための拠点となるところをいう。
    • × 友人宅で麻雀をし、翌朝そこから直接出勤する場合
    • ○ 早出や長時間の残業の場合には別に借りているアパートに泊まり、そこから通勤するような場合
    • ○ 入院中の夫の看護のため、姑と一日おきに寝泊まりしていた病院から出勤した場合(昭和52.12.23基収第981号)
    • ○ 長女の出産に際し、その家族の世話をするために連日泊まり込んでいた長女宅から出勤した場合(昭和52.12.23基収第 1027号)
  • 4. 「就業の場所」とは、業務を開始し、又は終了する場所をいう。
    • ○ 物品の届け出先直接帰宅する場合
  • 5. 「合理的な経路及び方法」とは、労働者が一般に用いると認められる経路及び手段等をいう。
    • × 特別の合理的理由もなく著しく遠まわりとなる経路をとる場合
    • ○ 他に子供を看護する者がいない共稼ぎ労働者が託児所、親戚等に預けるためにとる経路
    • ○ 共稼ぎであるマイカー通勤の労働者が、会社と同一方向にあり会社から約700m離れた妻の勤務場所に立ち寄ったのち会社に向かう途中で災害にあった場合(昭和49.3.4基収第289号)
    • × 共稼ぎであるマイカー通勤の労働者が、会社と同一方向にあり会社から約1.5㎞離れた妻の勤務先に向かう途中で災害にあった場合(迂回する距離が3㎞と離れており、著しく距離が遠回りと認められ、合理的な経路として取り扱うのは困難であり、逸脱中の災害にあたるとされている。昭和49.8.28基収第2169号)
    • ○ 共稼ぎであるマイカー通勤の労働者が、会社と同一方向にあり会社から約3.5㎞離れた妻の勤務先を経由した後、忘れものに気づいて自宅に引き返す途中で災害にあった場合(昭和50.11.4基収第2042号)
    • × 免許を一度も取得したことのない者が自動車を運転する場合
    • × 泥酔して運転する場合
    • ○ 飲酒運転、免許証不携帯、更新忘れによる無免許運転の場合、必ずしも合理性を欠くものとして取り扱う必要はないが、給付の支給制限(労災保険法12の2の2)が行われることがあることは当然。
  • 6. (1)「往復の経路を逸脱し、又は中断した場合」につき、逸脱とは、通勤の途中で就業や通勤と関係のない目的で合理的な経路をそれることをいう。
    中断とは、通勤の経路上で通勤と関係ない行為を行うことをいう。
    • ○ 途中で麻雀を行う場合、映画館に入る場合、バー等で飲酒する場合
    • × 経路の近くの公衆便所を使用する場合、経路近くの公園で短時間休息する場合、 経路上の店でタバコや雑誌等を購入する場合、経路上の店で極短時間お茶等を飲む場合等ささいな行為を行う場合
    • ○ 退社後、会社の門から200メートル離れたところにある飲食店で食事をとり、約20分後に再び会社正門前に戻り、通常の通勤経路を通って帰宅途中で災害にあった場合(妻帯者で通常は自宅で夕食をとっており、自宅まで20分程度の所要時間であった。)。日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最小限度のものに該当しないとした(昭和49.8.28基収第2105号)。
    • ○ 退社後、同僚と、会社の隣の喫茶店に寄ってコーヒーを飲み約40分程度過ごしてから帰宅した場合。ささいな行為に該当せず、また、日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最小限度のものに該当しないとした(昭和49.11.15基収第1867号)。
    • ○ 帰宅途中、通常の通勤経路より約50m離れた書店に立ち寄り(約3分)、同書店より約50m離れた交通事故写真展を見学(約20分)した後、再び通常の通勤経路に復した後に事故にあった場合(書店立寄りは日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行うための最小限度のものに該当するが、写真展の見学行為については、労働者の興味によるものであり、日常生活上必要な行為に該当しないとした。)(昭和49.11.27基収第3051号)
    (2)「日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるもの」とは、
    • ① 日用品の購入その他これに準ずる行為
      ○ 惣菜等を購入する場合
      ○ 独身者が食堂に食事に立ち寄る場合
      ○ クリーニング店に立ち寄る場合
      ○ 理髪店又は美容院に立ち寄る場合(昭和58.8.2基発第420号)
    • ② 職業能力開発促進法第15条の6第3項に規定する公共職業能力開発施設において行われる職業訓練、学校教育法第1条に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為
      × 自動車教習所若しくはいわゆる予備校の課程
    • ③ 選挙権の行使その他これに準ずる行為
    • ④ 病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為

(施行規則第7条)
「やむを得ない事由により」とは、日常生活の必要のあることをいう。

労災保険給付の内容

業務災害と通勤災害における保険給付の内容は同一。

  • (1) 療養(補償)給付
    業務災害又は通勤災害による傷病により療養するとき
    ア 労災病院や 労災指定医療機関等で療養を受けるとき
    →必要な療養の給付
    イ 労災病院や労災指定医療機関等以外で療養を受けるとき
    →必要な療養費の全額
  • (2) 休業(補償)給付
    業務災害又は通勤災害による傷病の療養のため労働することができず、賃金を受けられないと
    →休業4日目から、休業1日につき給付基礎日額の60%相当額
    ※給付基礎日額…(原則)災害発生日以前3か月間の賃金総額÷災害発生日以前3か月間の暦日数
  • (3) 障害(補償)給付
    ア 障害(補償)年金
    業務災害又は通勤災害による傷病が治った後に障害等級第1級から第7級までに該当する障害が残ったとき
    →障害の程度に応じ、給付基礎日額の313日分から131日分の年金
    イ 障害(補償)一時金
    業務災害又は通勤災害による傷病が治った後に障害等級第8級から第14級までに該当する障害が残ったとき
    →障害の程度に応じ、給付基礎日額の503日分から56日分の一時金
  • (4) 遺族(補償)給付
    ア 遺族(補償)年金
    業務災害又は通勤災害により死亡したとき
    →遺族の数等に応じ、給付基礎日額の245日分から153日分の年金
    イ 遺族(補償)一時金
    (ア) 遺族(補償)年金を受け得る遺族がないとき
    (イ) 遺族(補償)年金を受けている者が失権し、かつ、他に遺族(補償)年金を受け得る者がない場合であって、すでに支給された年金の合計額が給付基礎日額の 1000日分に満たないとき
    → 遺族(補償)年金受給資格者以外の遺族に対し、給付基礎日額の1000日分の一時金(ただし、(イ)の場合は、すでに支給した年金の合計額を差し引いた額)
  • (5) 葬祭料(葬祭給付)
    業務災害又は通勤災害により死亡した者の葬祭を行うとき
    → 315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額(その額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額の60日分)
  • (6) 傷病(補償)年金
    業務災害又は通勤災害による傷病が療養開始後1年6か月を経過した日又は同日後において次の各号のいずれにも該当することとなったとき
    ① 傷病が治っていないこと
    ② 傷病による障害の程度が傷病等級に該当すること
    →障害の程度に応じ、給付基礎日額の313日分から245日分の年金
  • (7) 介護(補償)給付
    障害(補償)年金又は傷病(補償)年金受給者のうち第1級の者又は第2級の者(精神神経の障害及び胸腹部臓器の障害の者)であって、現に介護を受けているとき
    → 常時介護の場合は、介護の費用として支出した額(ただし、月104,790円を上限とする)。ただし、親族等により介護を受けており介護費用を支出していないか、 支出した額が月56,950円を下回る場合は56,950円。
    随時介護の場合は、介護の費用として支出した額(ただし、月52,490円を上限とする)。ただし、親族等により介護を受けており介護費用を支出していないか、支出した額が月28,480円を下回る場合は28,480円。
  • (8) 特別支給金
    上記のほか、休業(補償)給付・障害(補償)給付・遺族(補償)給付・傷病(補償)年金には、特別支給金が給付される。
  • 以上

その他の事例を見る(法律業務関連コラム)

交通事故に遭った場合、どのような被害が損害として認められますか?

交通事故によって受けた損害の全てが損害として認められているわけではなく、被害者が請求できる損害は、その交通事故から通常生じるであろう範囲内に限られます。
損害賠償請求ができる損害には、人身事故・物損事故それぞれについて、主に以下のような項目があります。

傷害事故の場合

  • ①治療関係費
    必要かつ相当な実費が認められます。
  • ②入院雑費
    入院1日あたりの費用が定額されています。
  • ③交通費 実費相当額が認められます(ただし、公共交通機関の運賃が原則であり、タクシー利用は相当性がある場合に限られます)。また、自家用車利用の場合は,ガソリン代が認められます。
  • ④付添看護費 医師の指示があった場合や付添看護の必要性が認められる場合に認められます。
  • ⑤装具・器具等の購入費用 必要かつ相当な範囲で認められます。
  • ⑥将来の介護料 将来にわたり介護の必要性がある場合、具体的看護の状況に応じて、相当な額が損害として認められます。
  • ⑦休業損害 事故により休業した期間に受け取れるはずだった休業分の損害を言います。原則として、実際に減収した金額が損害額となりますが、専業主婦の場合でも、賃金センサスによる平均賃金額を基礎とした休業損害が認められます。
  • ⑧後遺障害による逸失利益 交通事故による後遺障害がなければ将来得られたはずの収入などの利益のことを言います。後遺障害の程度、等級、年収等によって算定されます。
  • ⑨慰謝料 事故によって精神的苦痛を被ったことによる損害で、「入院・通院についての慰謝料」と「後遺障害についての慰謝料」の二つが損害として認められます。

死亡事故の場合

被害者が入院等をした後に亡くなられた場合には、亡くなるまでの

  • ①治療関係費
  • ②入院雑費
  • ③交通費
  • ④付添看護費
  • ⑤装具・器具等の購入費用
が損害にあたります。また、その他には、
  • ⑥葬儀関係費用
    があります。裁判においては、150万円程度が損害として認められることが多いといえますが、実際に支出した額がこれを下回る場合は、実際に支出した額となります。
  • ⑦逸失利益
    逸失利益とは、被害者が事故で死亡しなければ将来得られたはずの収入などの利益のことを言います。年収や就労可能年数等によって算定されます。
  • ⑧慰謝料
    死亡した被害者本人の慰謝料と遺族固有の慰謝料も損害があり、被害者本人の慰謝料は相続人が相続のうえ請求できます。

物損事故の場合

  • (日)修理費等
    事故により車両が破損した場合、修理が可能であれば修理費の実費が損害と認められます。ただし、修理費が事故時の車両の時価を上回る場合は、その時価が損害額となります。
    自動車が全損した場合、または、修理が技術的に不可能な場合は、事故時の車両の時価が損害額となります。車両の売却代金等があればこれを控除した額が損害額となります。
  • ①評価損
    修理をしても外観や機能に欠陥を生じ、または事故歴により商品価値が下落するなど、車両の経済的価値が下落する場合には、その減少分が損害と認められることがあります。
  • ②代車使用料
    車両の修理または買換えのため代車を使用する必要性がある場合は、修理または買換えに必要な相当期間について、レンタカー代等の代車使用料が損害となります。
  • ③休車損害
    破損した車両が営業用車両で、修理または買換のためにその期間休業せざるを得なかった場合には、営業上の損害が生じます。したがって、その車両を使用していれば得られたであろう利益が損害となります(代車使用料が認められる場合には認められません)。
  • ④その他
    レッカー、保管料、廃車料等も損害となります。

以上、交通事故に関する主な損害の項目を挙げましたが、これ以外にも損害賠償の対象となるものもあります。また、実際に損害賠償請求できる損害は個別事案に応じて異なりますので、詳しくはご相談ください。

交通事故による顔面醜状において男女に違いがありますか

通勤中に交通事故で被害に遭い、顔面に大やけどを負いました。障害等級認定では、「外ぼうに著しい醜状を残すもの」として、12級の認定を自賠責により受けました。しかし、女性であれば、7級になると聞いており、男女の別によりこのような差別を受けいれなければならないのでしょうか。

あきらめる必要はありません。
確かに、これまで、外ぼうの醜状傷害に関する等級認定においては、男女により、以下のような差別がなされ てきました。
  • ①「ほとんど顔面全域にわたる瘢痕で人に嫌悪の感をいだかせる程度のもの」
    男 7級 女 7級
  • ②「外ぼうに著しい醜状を残すもの」
    男 12級 女 7級
  • ③「外ぼうに醜状を残すもの」
    男 14級 女 12級
しかしながら、平成22年5月27日、労災事件につき、京都地方裁判所において、上記差別を違憲とする判決(最高裁ホームページ掲載)が出されました。
行政側は、同判決に控訴することなく同判決は確定し、厚生労働省は、平成22年度内に上記基準の見直しを目指すとの発表を行っています(厚生労働省ホームページ)。
交通事故で外貌醜状が残った男性の場合、これまでは、民事における損害賠償請求事件において、慰謝料や将来における逸失利益が女性に比べて低額にしか認められない傾向にありました。
同傾向は、上記判決や厚生労働省による上記基準の見直しにより、今後変わっていく可能性があります。また、労災を利用した場合、等級に応じて自動的に障害給付額が決定されるため(何級であればいくらといった具合に)、今後は、通勤中における交通事故の場合には、労災を利用したほうがより多くの賠償を受けられることになるかもしれません。
専門的判断を要することになりますので、御関心がある方は、当事務所宛て御相談下さい。
以上
(H22.7.14記す)

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