刑事(少年)事件

もし、家族が逮捕されたら?

突然、旦那さんやお子さんが逮捕される。そんな予想できないトラブルが生じたときに、役に立つのは法律の専門弁護士です。

突然、旦那さんやお子さんが逮捕される。私の家族に限ってそんなことはあり得ないとお考えの方が多いでしょう。しかし、現実の社会では、貴方の家族が自動車を運転中、過って人に怪我をさせてしまったり、事件に巻き込まれてしまうということは、決して、どこか遠い世界で起こっている他人ごとではありません。
そんな予想できないトラブルが生じたときに、役に立つのは法律の専門家弁護士です。逮捕・勾留されている本人に今後の流れを説明し、採るべき手段を指導し、残された家族にも十分な情報を伝え、被害者と示談も行います。

成人事件について

  • 1.逮捕段階からの弁護活動
  • 2.保釈請求
  • 3.被害者との示談交渉
  • 4.公判弁護活動
  • 5.判決後の控訴等の手続

刑事事件のおおまかな流れ

 
刑事事件のおおまかな流れ

※1逮捕
逮捕とは、警察等の捜査機関が、ある人物に対して 「何らかの罪を犯したのではないか」との疑いをもったとき、法律に基づいて身体を拘束する手続のことをいいます。尚、逮捕には逮捕令状がいらない「現行犯逮捕」、逮捕令状が必要な「通常逮捕」、緊急性があると考えて身体拘束の後に逮捕令状を取る「緊急逮捕」があります。

※2勾留
逮捕されると、警察の留置場か拘置所と呼ばれる施設に収容されます。警察に逮捕されると、逮捕の手続としては最大72時間の間、身体を拘束されます。逮捕から48時間以内に、あなたは検察官の元へ連れて行かれます。これは「検察官送致手続」といいます。
ニュースなどで「○○が送検されました」なんて言っているのを聞いたことがあると思います。検察官が、被疑者を、①定まった住所がない、または②逃亡する可能性が高い、または③証拠や証人を隠したり共犯者と口裏合わせする可能性が高いと考え、身体拘束を続ける必要があると考えれば、その後24時間以内に、裁判官に引き続き身体を拘束するように請求します。

この逮捕に引き続いての身体拘束を「勾留」といいます。
検察官からの勾留請求があると、裁判官があなたの言い分を聞いたうえで(これを「勾留質問」といいます)、引き続きあなたの身体を拘束するかどうかを決めるという流れになります。
勾留は法律上原則として10日となっていますが、更に10日以内の延長ができることになっています(重大な罪については更に5日間延長される可能性もあります)。 勾留が認められれば、検察官は、裁判官が認めた勾留期間が終わるまでに(通常は最大20日間)、あなたを起訴するか(裁判にかけること)、しないかを決めます。不起訴(犯罪を犯した疑いがない、証拠が十分ではないなどの何らかの理由で起訴しないと検察官が判断した場合)、あるいは処分保留になると釈放されます。

犯罪の被害に遭われた方へ

不幸にも犯罪の被害に遭われた場合には、治療費や慰謝料、財産的被害等について、加害者への損害賠償請求を行う必要が生じます。加害者に対し直接接触するのは精神的負担が大きい場合も多いと思いますので、示談交渉につきましては当事務所宛ご相談ください。加害者との交渉にあたっては、民事訴訟を提起せずとも、刑事裁判手続の中で、併せて加害者に対し損害賠償を求める手続を利用することも考えられます。また、加害者に対する告訴・告発手続の代理も行っております。手続や内容については、「よくあるケース」をご参照ください。

告訴・告発について

  • 1. 告訴・告発とは
    • 「告訴」とは、犯罪の被害者その他被害者の親権者や相続人など一定の者が、捜査機関に対して、犯罪事実を申告して、その犯人の処罰を求める意思表示のことをいいます。
    • 「告発」とは、告訴権者または犯人を除いた第三者が、捜査機関に対して、犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求める意思表示のことをいいます。
    • この点、「被害届」というものがありますが、これは犯罪事実の申告はしますが、犯人の処罰を求める意思表示は含まれていません。
      また、後述のとおり、告訴・告発を受けた捜査機関は、被害届を受けた場合とは異なる手続き上の義務を負います。したがって、この点についても、「被害届」は「告訴」・「告発」とは区別されます。
  • 2. 告訴・告発はどのように行うか
    • (1)告訴・告発を行う場所はどこか
      法律上特に限定はありませんが、通常は、犯罪の発生地または犯人の所在地を管轄する警察署、検察庁に赴いて行います。
      提出先を警察官にするのか、検察官にするのかについても、法律上規定はありませんので、事件の規模・性質等を考慮して、告訴する側が自由に選択できます。例えば、贈収賄事件や特別背任等の場合は検察官にするのが適切かもしれません。
    • (2)どのような形で行うか
      告訴・告発は法律上口頭でも可能ですが(刑事訴訟法241条1項)、明確性を確保するため、書面によるのが通常となっています。
      告訴状・告発状には特に決まった方式はありませんが、作成者、日付、提出先、犯罪事実の表示、処罰の意思表示その他背景事情等を記載し、また証拠資料等を添付します。
  • 3. 告訴・告発の手続き上の効果
    司法警察員が告訴・告発を受理した場合は、これに関する書類および証拠物を速やかに検察官に送付する必要があります(同法242条)。
    また、検察官は起訴したか・しなかったのかの結論を告訴人・告発人に通知する義務を負い(同法260条)、請求があるときは、不起訴理由を告知しなければなりません(同法261条)。
    さらに、告訴人・告発人は、不起訴処分に不服があれば、検察審査会に対して審査の申立ができます。
    このように、捜査機関はいったん告訴・告発を受理すると、一定の期間内で処理する必要が生じます。
  • 4. まとめ
    捜査機関は、告訴・告発が有効なものであれば、これを受理する義務があります。
    しかし、上記で述べたような負担があるため、捜査機関は受理には慎重となり、告訴状等に不明な点がある、証拠資料が不十分である、捜査人員が不足している等の理由により、告訴・告発を受理しないケースが多々あるのが現状です。
    したがって、告訴をお考えの方は、被告訴人の行為が法的にどのような犯罪を構成するのかをしっかり検討する必要がありますので、一度弁護士にご相談ください。

お子さんが逮捕されたら、どうします?(少年事件)

手続きの大まかな流れ
  • (1) 逮捕 逮捕されると、最長で72時間、警察の留置場に留め置かれます。これは、少年であっても成人と同じです。
  • (2) 勾留または勾留に代わる観護措置 勾留とは、逮捕に引き続いて行われる身体拘束のことで、期間は原則として10日間(その後10日以内に限り延長されることがあります)で、通常は警察の留置場に収容されます。
    勾留に代わる観護措置とは、勾留の代わりに少年を少年鑑別所に収容するものです。勾留との違いは、
    • ①期間延長がないこと、
    • ②収容場所が少年鑑別所に限られるという点です。
  • (3)取り調べ 逮捕、勾留、勾留に代わる観護措置などの処分がなされた場合、その間に警察官などから取り調べを受けることになります。
    この際、警察官や検察官は、少年を真の犯人だと疑って逮捕しているのですから、少年に対する取り調べを行い、厳しい追及が行われることとなりがちです。
    取り調べの目的は事件の真相を知るためという意味もありますが、最大の目的は、少年が言ったことを「供述調書」という書面に記録して、後の審判における非行事実認定のため証拠として確保することにありますので、取り調べを受けるにあたっては、慎重な注意が必要になります。
    取り調べに対して、少年の対応が間違っていると、本当は無実なのにも関わらず処分されたり、実際に犯した行為に対する以上の処分を受けることにもなりかねません。
    尚、このとき、黙秘権が保障されることは、成人の場合と同じです。
    観護措置について 観護措置とは、家庭裁判所の裁判官が、少年審判のために必要があると認めるときに、少年を少年鑑別所に送る処分のことを言います。観護措置がなされると、少年は、多くの場合4週間、少年鑑別所に収容されることになります 少年が少年鑑別所に収容されている間も、両親などの家族は少年に面会することができます。一方、単なる友人などの面会は、許可されないのが現状です。なお、観護措置がなされるまで「弁護人」として活動してきた弁護士は、観護措置がなされた後は「付添人」となって活動していくこととなります。 鑑別所に収容されている間には、鑑別技官や家庭裁判所調査官により、少年の資質鑑別がなされます。その結果は報告書にまとめられ、少年審判の資料にされます。
  • (4)少年審判について 少年審判とは、家庭裁判所が、少年の処分を決定するために行う裁判です。家庭裁判所は、少年やその他の出席者から事情を聞くなどした後、
    • ①保護観察
    • ②児童自立支援施設等送致
    • ③少年院送致
    • ④不処分
    のいずれかの処分を決定します。
    少年審判には、裁判官と少年が出席するほか、少年の両親や雇用主、教師なども出席することができます。弁護士も、付添人として出席します。 多くの場合、審判は1度で終了しますが、少年が非行事実を争っているときなどには、複数回行われることもあります。また、少年の立ち直りの様子をしばらく見守るために、最終的な決定を下さないまま、家庭裁判所の調査官の観察に付することもあります(これを「試験観察」といいます)。この場合、数ヵ月後にもう1度審判が開かれ、少年の様子を確認した上で、最終的な処分が決定されることになります。

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弁護士は何をしてくれるの?

①少年と面会したり、家族や雇用主などと相談するなどして、少年を励ましたり、今後の学業や生活の環境を整えたりします。付添人は、少年にとって最善の方策は何かを考え、その実現のために努力します。
②少年が捜査機関に対してとるべき態度、方針、取り調べに対する心構え、調書を作成する場合の注意点、絶対にやってはいけないこと等についてアドバイスします。
③色々な疑問に答えて、不安を解消してくれます。
④家族や友人などへの連絡も可能な限り引き受けます。
⑤少年の主張が認められるように、捜査段階でも、審判になった場合でも、さまざまな弁護活動をします。

取り調べってどんなことをされるの?

逮捕されると、警察や検察は、被疑者が罪を犯したことを裏付ける証拠を収集し、さらに被疑者を取り調べます。
この際、警察官や検察官は、被疑者を真の犯人だと疑って逮捕しているのですから、被疑者に対する取り調べを行い、厳しい追及が行われることとなります。
取り調べの目的は事件の真相を知るためという意味もありますが、最大の目的は、被疑者が言ったことを「供述調書」という書面に記録して、後の裁判における有罪のため証拠として確保することにありますので、取り調べを受けるにあたっては、慎重な注意が必要になります。
取り調べに対して、被疑者の対応が間違っていると、本当は無実なのにも関わらず処罰されたり、実際に犯した行為に対する以上の処罰を受けることにもなりかねません。

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