離婚トラブル

  • 離婚届を勝手に出されてしまった。どうしたらいいでしょう?
    専業主婦として暮らしてきた方にとって、生活の基盤となる経済力が必要です。勢いで離婚してしまって、生活に困ることのないように、きちんと考えましょう。こどもが成人している場合は、養育費を受け取ることはできません。
    でも、専業主婦として暮らしてきて、収入を得る手段を持たない方の場合、扶養的財産分与を受け取ることができます。
  • 離婚したら,氏を変更しないといけないのでしょうか。
     婚姻によって氏を改めた人は,離婚によって法律上当然に婚姻前の氏に服し,原則として婚姻前の戸籍に入籍することになります。
     ただ,離婚の日から3ヶ月以内に届け出をすることで,離婚の際に称していた氏を称することが出来ます。この届け出は,離婚と同時に届け出をすることが出来ます。
  • 養育費って、具体的には、どんなものが含まれるの?
    養育費とは、未成熟児(必ずしも未成年という意味ではありません)が独立の社会人として成長自立するために必要な費用すべてです。

     例えば、食費、住居費、衣服費、教育費、医療費などです。

     但し、養育費に含まれるかが問題となっている場合には、その費用が、親の生活水準と同等の生活水準を維持できるのかがポイントになります。

     先程記載した費用の内、教育費を例にしてみましょう。

    教育費には、小学校、中学校、高校、大学などの入学金、授業料、クラブ活動費、塾代などが考えられます。

    これらの内、どこまでが(大学や私立学校、塾等の費用)、養育費の範囲とされるのかは、父母の学歴(父母が共に大学卒である等)、生活レベルなどの教育的、経済的水準により個別的に判断されることになります。
  • 有責配偶者の婚姻費用請求
    妻が浮気をし,家を出て行ってしまいました。その後,別居中の生活費(婚姻費用)を支払えと調停を申し立ててきました。この様な妻にお金を支払いたくありませんが,支払わなければならないのでしょうか?
    婚姻費用とは,婚姻家庭がその資産・収入・社会的地位等に応じた通常の社会生活を維持するために必要な費用であり,夫婦で分担するものとされています(民法760条)
    そして,権利者に,別居や婚姻関係破綻の原因がある場合は,義務者の分担義務の内,権利者の生活費相当部分は減免されことがあります。ただし,権利者がお子さんと同居しているような場合は,そのお子さんの養育費相当部分については減免されません。
    ですから,今回の様に,権利者である奥さんに別居の原因がある場合は,奥さんの生活費相当分の支払いを行わなくても良い可能性があるといえます。

親族相続

  • 遺産分割では,身の回りの世話等をしたことは,評価されるのでしょうか。
    私は,永年,祖母の面倒を見てきました。遺産分割では,身の回りの世話等をしたことは,評価されるのでしょうか。
    1 ご質問のケースでは、具体的な中身にもよりますが,評価される場合もあります。
    亡くなった方の財産の維持又は増加に特別の寄与(通常期待される程度を超える貢献)をしたと認められるときには、同寄与分を相続分算定上考慮して計算し、共同相続人間の公平を図る制度(寄与分)が用意されています(民法第904条の2)。

    注)戦後の新民法によって家督相続が廃止され、均分相続制度が浸透していくに従い、均等分割の要求をそのまま認めるとかえって相続人間の公平が害される場面が生じていました。そこで、判例上、相続分算定にあたり、特別の寄与が解釈上考慮されていきましたが、昭和55年の民法改正の際に、寄与分制度として明文化されました。

    2 寄与分が認められる類型としては、一般に、①家業従事型、②金銭等出資型、③療養看護型、④扶養型、⑤財産管理型があります。本件では、③の療養看護型か④の扶養型に該当するかどうかが問題となります。以下、分けて説明します。

    3 療養看護型
      亡くなった方の病気療養中(認知症を含みます。)に介護を行った場合です。
     (1)要件
        ①亡くなった方との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与であることと、②亡くなった方の財産を維持又は増加させていることが必要です。
        ①につき、特別な寄与にあたるかは、亡くなった方の病状がどのようなものであったかの視点が重要なポイントとなります。介護保険における「要介護度2」(一人で立ち上がったり歩けないことが多く、排せつや入浴などに一部又は全部の介助が必要な場合)以上の状態にあることが一つの目安になるなどと説明されます。
    病気療養中で介護を要することが前提であり、亡くなった方が健康であり、ただ家事を手伝っていたという場合は療養看護型の要件を満たしません。

     (2)計算方法
        介護報酬基準額 × 看護日数 × 裁量割合
    で計算するのが一般です。
     例えば、身体介護で要介護2の場合、介護報酬基準額に基づく日当は5,840円となっています。
     但し、介護報酬基準額は資格者への報酬を前提としていますし、扶養義務を負う親族と第三者との違いから、裁量割合を乗じて調整するのが通常です。0.7から0.8程度が目安でしょう。
       
    4 扶養型
    亡くなった方を扶養し、出費を免れた結果、遺産が維持されている場合です。
     (1)要件
        療養看護型と同様、①亡くなった方との身分関係に基づいて通常期待される程度を超える特別の寄与であることと、②亡くなった方の財産を維持又は増加させていることが必要です。
        ①につき、特別な寄与にあたる場合としては、法律上の扶養義務がない場合や、扶養義務の分担義務の限度を超えている場合が挙げられます。
        多額の遺産が残っている場合には、相続人が法律上扶養義務を負わない場合も多いでしょう。

     (2)計算方法
        扶養のために負担した金額 × (1-寄与者の法定相続人割合)
       又は
        扶養のために負担した金額 × 裁量割合
       で計算することが多いといえます。
        扶養のために負担した金額を算出することが難しい場合には、生活保護基準を参考にするなどします。
        また、扶養義務を相続人複数が負っている場合には、寄与者の負担割合を考慮して、(1-寄与者の法定相続人割合)を乗じたり、一切の事情を考慮して裁量割合により調整を図ったりします。扶養義務が存在しない場合には、裁量割合を乗じる必要はないといえます。
        なお、亡くなった方所有の建物に無償で同居しながら扶養している場合には、上記から家賃相当額を減算されることがあります。

    以上
    【参考文献】
     1 司法研修所編「遺産分割事件の処理をめぐる諸問題」法曹会
     2 上原裕之「高齢者介護と寄与分・試論」『相続・遺言―遺産分割と弁護士実務―』東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会編所収
     3 片岡武・管野眞一「家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務」
  • 夫が死亡した場合は、夫の財産を夫の兄弟に渡さなければなりませんか?(子供も父母もいないケース)
    夫が死亡した場合は、夫の財産を夫の兄弟に必ず渡さなければなりませんか?(子供も父母もいないケース)
     今回の御相談は、相続と遺言に関するものですね。この問題は、皆さんにとっても比較的関心が高いものなのではないかと思います。

     さて、結論から言いますと、義理の兄弟等に旦那さんの財産を渡さないことは可能です。

     まず、その前提として、法定相続分について、配偶者の相続分という視点から簡単に説明したいと思います。

    法律では、相続分について、亡くなられた被相続人が何も意思を表明していなかった場合に3通りのパターンにより相続分が定められています(法定相続分・民法900条)。

    まず、お子さんがいる場合は、そのお子さんと配偶者が相続人となり、子供の相続分と配偶者の相続分は各2分の1になります。

    次に、お子さんが一人もいらっしゃらない場合で、その亡くなられた被相続人のお父さんやお母さん、若しくは、おじいちゃん、おばあちゃん等の直系尊属がいらっしゃった場合には、その直系尊属と配偶者が相続人となるのですが、その相続分は、お子さんと配偶者が相続人の場合と異なり、直系尊属が3分の1、配偶者が3分の2の相続分となります。

    そして、今回の質問のように、お子さんも直系尊属もいらっしゃらない場合は、その被相続人の兄弟姉妹と配偶者が相続人となりますが、その相続分は、上記2パターンとまた異なり、兄弟姉妹が4分の1、配偶者が4分の3の相続分となるのです。

     ですから、旦那さんが先に亡くなられた場合のAさんの法定相続分は4分の3となるわけです。
    つまり、旦那さんが生前、相続分について何も意思表示していなければ、旦那さんの財産は、Aさんが4分の3、旦那さんの兄弟が4分の1という割合で分ける事になります。
     

     次に、旦那さんの兄弟に旦那さんの財産を渡さない方法についてお話します。

    この点、ある程度、相続に関して調べたことがある方なら、旦那さんがAさんに全ての財産を渡すという内容の「遺言書」があったとしても、一定の法定相続人は「遺留分」という権利を持っており、その分については財産を渡さなければならないということを知っているかもしれません。では、旦那さんの兄弟は「遺留分」と言う権利を有しているのでしょうか?

     まず、遺留分とは何かということを簡単に説明します。
     
    本来、被相続人は、誰に自分自身の財産を譲ろうが勝手なはずですよね。だから、全財産を全く血の繋がりの無い人に生前贈与しようと、ある特定の相続人だけに全財産を相続させることもできるはずなんです。
     
    しかし、その相続財産が、残された遺族の生活保障という機能を有することを考えると、被相続人のその様な恣意的な処分によって遺族の生活が脅かされる事を一定程度回避する必要があるわけです。

    そこで、被相続人の財産の処分の自由と遺族の保護の調和の観点から、相続財産の一定割合を一定の範囲の相続人に残す(留保する)という制度ができたのです。
    それが、遺留分制度といわれるものなんですね。

     そこで、まず、誰が遺留分権利者なのかということが問題となりますが、これは兄弟姉妹を除く法定相続人となっています(民法1028条)。つまり、配偶者や子、そして直系尊属が遺留分権利者となるのであり、被相続人の兄弟姉妹は遺留分権利者ではないのです。

     そして、その遺留分率は、直系尊属のみが相続人となる場合は被相続人の財産の3分の1、その他の場合は2分の1となります。

      このように、Aさんの旦那さんが、全財産をAさんに渡すと遺言すれば、旦那さんの兄弟は遺留分権利者ではないですから、旦那さんの全財産をAさんは取得することができるのです。
                                      以上
  • 遺言とはどのようなものですか?
     遺言とは,自分の財産について,自分が死んだ後に誰に残すかなどの処置について,生前に自分の意思を残しておくことをいい,一般的には書面の形で遺言書が作成されます。

     遺言書の一般的な方式としては,自筆証書遺言,公正証書遺言,秘密証書遺言の三種類がありますが,遺言は民法に定める方式に従わなければならない要式行為(一定の方式によることを必要とする行為)であり,これに従わないと無効になることがありますので注意が必要です。

     遺言を作成する際には,自分の財産の処分ですから,どのような配分を行うのかは遺言をする方の自由です。しかしながら,法定相続人の中には,遺留分といって遺言でも侵害されない権利をもっている相続人がいますので,遺留分を侵害するような遺言を行う場合には,あなたの死後にトラブルが生じかねません。事前に遺留分を侵害していないか注意しておく必要があります。

     また,遺言には,遺言の内容を実現するための遺言執行者を定めておくことも出来ます。通常は,遺言の作成を依頼した弁護士に依頼することも多いでしょうが,親族が担当することも可能です。手続を円滑に進めるためには,遺言執行者を定めておく方が無難です。
     
     上記に記載したように,遺言は要式行為ですので,生前の意思を確実に実現するためには,法律専門家に作成してもらうこと,遺言が無効であるなどといった主張がなされることを避けるために公正証書遺言によること,が望ましいでしょう。

刑事事件

  • 弁護士は何をしてくれるの?
    ① 少年と面会したり、家族や雇用主などと相談するなどして、少年を励ましたり、今後の学業や生活の環境を整えたりします。付添人は、少年にとって最善の方策は何かを考え、その実現のために努力します。

    ② 少年が捜査機関に対してとるべき態度、方針、取り調べに対する心構え、調書を作成する場合の注意点、絶対にやってはいけないこと等についてアドバイスします。

    ③ 色々な疑問に答えて、不安を解消してくれます。

    ④ 家族や友人などへの連絡も可能な限り引き受けます。

    ⑤ 少年の主張が認められるように、捜査段階でも、審判になった場合でも、さまざまな弁護活動をします。
  • 取り調べってどんなことをされるの?
    逮捕されると、警察や検察は、被疑者が罪を犯したことを裏付ける証拠を収集し、さらに被疑者を取り調べます。

    この際、警察官や検察官は、被疑者を真の犯人だと疑って逮捕しているのですから、被疑者に対する取り調べを行い、厳しい追及が行われることとなります。

    取り調べの目的は事件の真相を知るためという意味もありますが、最大の目的は、被疑者が言ったことを「供述調書」という書面に記録して、後の裁判における有罪のため証拠として確保することにありますので、取り調べを受けるにあたっては、慎重な注意が必要になります。

    取り調べに対して、被疑者の対応が間違っていると、本当は無実なのにも関わらず処罰されたり、実際に犯した行為に対する以上の処罰を受けることにもなりかねません。

債務整理

  • どんな借金でも破産すると免責されるのですか。
    破産法には、免責不許可事由という規定があります。ギャンブルや収入に見合わない支出といった浪費があったり、債権者を騙して借り入れをしたり、財産を隠したりした場合、免責が認められない場合があります。
    ただし、免責不許可事由に該当しても、裁量で免責が許可されることもありますので、具体的な事情をもとに弁護士にご相談ください。
  • いわゆるブラックリストに載るのはどのような場合ですか。
    金融機関は、信用情報を相互に交換する信用情報機関の情報を利用しています。
    法的手続であるか否かを問わず、弁護士が介入した段階で、約束通りの返済がストップすることとなるので、事故扱いになってしまい、この情報が登録されます。情報が登録される期間は一概には言えませんが、5年くらいといわれています。
  • 自己破産すると選挙権が無くなってしまうのですか。
    自己破産しても,選挙権が無くなることはありません。

    また、破産手続が開始すると、いったん破産者となりますが、免責決定(債務を弁済しなくてよくする決定)の後に、復権(破産者でなくなる)しますので、いつまでも破産者であるわけではありません。

    ただ、一定の職業(警備員や保険の外交員等)については、破産者でないことが要件となりますので、このような職種の方が破産することはお勧めできません。
  • 夫に多額の借金があるのですが、離婚しないといけませんか?
    夫に多額の借金があることが分かり、夫から、迷惑がかかるから離婚してほしいと言われました。離婚しないといけませんか?
    夫婦といえども、夫がした借金の保証人や連帯保証人になっていない限り、妻であるあなたが、夫の借金を返済する法律上の義務はありません。 

    したがって、まともな貸金業者であれば、そもそも債務者でないあなたに請求することはありません。

    なお、貸金業を営む者が債務者以外の者に返済を要求することは法律上禁止されており、罰則として、2年以下の懲役、 300万円以下の罰金が科されます(貸金業法21条1項7号・47条の3第3号)。
      
    したがって、離婚しても法律上の意味はまったくありませんので、債権者からの取立てを避けるために離婚する必要はありません。

    また、これは、夫が自己破産をした場合でも同様です。夫が自己破産をしたとしても、妻であるあなたが借金を返済す義務を負うことはありません。

    ただ、性質の悪い貸金業者の場合、法律上許されないにもかかわらず債務者の家族に請求してくる場合がありますが、決して支払う必要はありません。

    いずれにせよ、まずはご主人の借金を整理することが必要ですので、ご主人と一緒に早急に弁護士に相談しましょう。
  • サラ金からの借金の他に住宅ローンがあるのですが,住宅は手放さずに借金を整理する方法はありますか?
    個人再生手続きを利用すれば,住宅を手放さずに借金を減額することが可能です。この手続きは,裁判所の手続きにより債務額を減額する制度で,手続きにより決められた金額を原則として3年間(最長5年)分割で返済すれば,残額は免除されます。
    また,住宅資金特別条項を利用すれば,住宅ローンの返済を継続することができ,住宅を維持することが可能です。ただし,住宅ローンの返済総額は,他の借金のように減額することはできません。
    なお,この手続きには,「小規模個人再生手続」と,給与のように定期的な収入を得る見込みがある人を対象にした「給与所得者等再生手続」の2種類があります。

    手続きを利用する要件としては,将来にわたり継続的に収入を得る見込みがあることが必要であり,また,住宅ローンを除く債務総額が5000万円以下であることも必要です。さらに,給与所得者等再生手続きでは,給与等の定期的な収入があり,かつ,その金額が安定していることが必要となります。
    そして,住宅資金特別条項を利用する場合には,住宅に住宅ローン以外の担保権がついていないこと,居住用物件であること等の条件もあります。

    手続きにおいて返済する債務額は,負債総額(住宅ローンを除く)に応じて,以下のようになります。
    ①負債総額が100万円未満の場合は,全額
    ②負債総額の5分の1が100万円未満の場合は,100万円
    ③負債総額が500万円以上1500万円未満の場合は,負債総額の5分の1
    ④負債総額が1500万円以上3000万円以下の場合は,300万円
    ⑤負債総額が3000万円を超え5000万円以下の場合は,負債総額の10分の1
    例えば,300万円の負債総額の場合は100万円,1000万円の負債総額の場合は200万円に減額されます。
    ただし,資産総額(自分の財産をすべて処分した場合に得られる金額)が上記算出金額を上回る場合は,資産総額を返済することになり,自分の財産状況によって返済額は変わる場合があります。
    また,給与所得者等再生手続きの場合は,自分の可処分所得額(自分の収入の合計額から税金や最低生活費などを差引いた金額)の2年分の金額,上記算出金額及び資産総額を比較して,最も高い金額が最低返済額となります。

    以上のように,個人再生は,住宅を持っている人にとって,住宅を手放さずに,借金を減額できるというメリットがあります。また,破産手続きと異なり資格制限がないため,保険の外交員や警備員など,職業が資格制限に該当する場合にも利用することができますが,安易な手続きではありませんので,弁護士にご相談ください。

交通事故

  • 交通事故による顔面醜状において男女に違いがありますか
     通勤中に交通事故で被害に遭い、顔面に大やけどを負いました。障害等級認定では、「外ぼうに著しい醜状を残すもの」として、12級の認定を自賠責により受けました。
     しかし、女性であれば、7級になると聞いており、男女の別によりこのような差別を受けいれなければならないのでしょうか。
     あきらめる必要はありません。
    確かに、これまで、外ぼうの醜状傷害に関する等級認定においては、男女により、以下のような差別がなされてきました。
      ①「ほとんど顔面全域にわたる瘢痕で人に嫌悪の感をいだかせる程度のもの」
        男 7級  女 7級
      ②「外ぼうに著しい醜状を残すもの」
        男 12級 女 7級
      ③「外ぼうに醜状を残すもの」
        男 14級 女 12級
      しかしながら、平成22年5月27日、労災事件につき、京都地方裁判所において、上記差別を違憲とする判決(最高裁ホームページ掲載)が出されました。
    行政側は、同判決に控訴することなく同判決は確定し、厚生労働省は、平成22年度内に上記基準の見直しを目指すとの発表を行っています(厚生労働省ホームページ)。
    交通事故で外貌醜状が残った男性の場合、これまでは、民事における損害賠償請求事件において、慰謝料や将来における逸失利益が女性に比べて低額にしか認められない傾向にありました。
    同傾向は、上記判決や厚生労働省による上記基準の見直しにより、今後変わっていく可能性があります。また、労災を利用した場合、等級に応じて自動的に障害給付額が決定されるため(何級であればいくらといった具合に)、今後は、通勤中における交通事故の場合には、労災を利用したほうがより多くの賠償を受けられることになるかもしれません。
    専門的判断を要することになりますので、御関心がある方は、当事務所宛て御相談下さい。

    以上  
    (H22.7.14記す)
  • 交通事故に遭った場合、どのような被害が損害として認められますか?
    交通事故によって受けた損害の全てが損害として認められているわけではなく、被害者が
    請求できる損害は、その交通事故から通常生じるであろう範囲内に限られます。
    損害賠償請求ができる損害には、人身事故・物損事故それぞれについて、主に以下のような項目があります。 

    【傷害事故の場合】
    ①治療関係費 
     必要かつ相当な実費が認められます。
    ②入院雑費
     入院1日あたりの費用が定額されています。
    ③交通費
     実費相当額が認められます(ただし、公共交通機関の運賃が原則であり、タクシー利用は相当性がある場合に限られます)。また、自家用車利用の場合は,ガソリン代が認められます。
    ④付添看護費
     医師の指示があった場合や付添看護の必要性が認められる場合に認められます。
    ⑤装具・器具等の購入費用
     必要かつ相当な範囲で認められます。
    ⑥将来の介護料
     将来にわたり介護の必要性がある場合、具体的看護の状況に応じて、相当な額が損害として認められます。
    ⑦休業損害
     事故により休業した期間に受け取れるはずだった休業分の損害を言います。原則として、実際に減収した金額が損害額となりますが、専業主婦の場合でも、平均賃金額を基礎とした休業損害が認められます。
    ⑧後遺障害による逸失利益
     交通事故による後遺障害がなければ将来得られたはずの収入などの利益のことを言います。後遺障害の程度、等級、年収等によって算定されます。
    ⑨慰謝料
     事故によって精神的苦痛を被ったことによる損害で、「入院・通院についての慰謝料」と「後遺障害についての慰謝料」の二つが損害として認められます。
     
    【死亡事故の場合】
    被害者が入院等をした後に亡くなられた場合には、亡くなるまでの
    ①治療関係費 
    ②入院雑費
    ③交通費
    ④付添看護費
    ⑤装具・器具等の購入費用
    が損害にあたります。また、その他には、
    ⑥葬儀関係費用
     があります。裁判においては、150万円程度が損害として認められることが多いといえますが、実際に支出した額がこれを下回る場合は、実際に支出した額となります。
    ⑦逸失利益
     逸失利益とは、被害者が事故で死亡しなければ将来得られたはずの収入などの利益のことを言います。年収や就労可能年数等によって算定されます。
    ⑧慰謝料
     死亡した被害者本人の慰謝料と遺族固有の慰謝料も損害があり、被害者本人の慰謝料は
    相続人が相続のうえ請求できます。

    【物損事故の場合】1
    ㈰修理費等
     事故により車両が破損した場合、修理が可能であれば修理費の実費が損害と認められます。ただし、修理費が事故時の車両の時価を上回る場合は、その時価が損害額となります。
    自動車が全損した場合、または、修理が技術的に不可能な場合は、事故時の車両の時
    価が損害額となります。車両の売却代金等があればこれを控除した額が損害額となります。
    ①評価損
     修理をしても外観や機能に欠陥を生じ、または事故歴により商品価値が下落するなど、車両の経済的価値が下落する場合には、その減少分が損害と認められることがあります。
    ②代車使用料
     車両の修理または買換えのため代車を使用する必要性がある場合は、修理または買換えに必要な相当期間について、レンタカー代等の代車使用料が損害となります。
    ③休車損害
     破損した車両が営業用車両で、修理または買換のためにその期間休業せざるを得なかった場合には、営業上の損害が生じます。したがって、その車両を使用していれば得られたであろう利益が損害となります(代車使用料が認められる場合には認められません)。
    ④その他
     レッカー、保管料、廃車料等も損害となります。

    以上、交通事故に関する主な損害の項目を挙げましたが、これ以外にも損害賠償の対象となるものもあります。また、実際に損害賠償請求できる損害は個別事案に応じて異なりますので、詳しくはご相談ください。